手に取るようにわかる使えない営業との摩擦

 実は初めてブクマしてもらって浮かれています。
 最初にブクマしてくださったkanose氏のブックマークの中からデザインタグ一覧をツラツラと読ませてもらいました。
 その中でコレ。

使えない営業やにわか知識の製作者が良い案を駄目にする

 営業VSデザイナーなんて図、いちいち思い当たってうなずくのみです。本文もコメントも面白い。手に取るようにわかる風景で、印刷業界もイトヘン業界も一緒なのねーと抜粋してみました。
 まず、使えない営業編。

企業によっては、クラ担当者が広告宣伝のプロでないやつも多い。中には
「僕、赤がスキだから、この文字赤にして。(もっとこの部分を目立たせてという意味)」と言ったのを
「はい!わかりますた!赤に直させます!」とそのまま、持って帰られたらこまる。
そこは、例えば「それは、この部分を目立たせたいという意味ですか?だとしたらこの部分を赤にすると、他のこの赤の部分とイメージがかぶってかえって目立たなくなりますけどいいですか?」ぐらいの
確認はとってほしい。

例えばの話しね。
ようはクラの注文の行間を読み取ってほしい。ということ。

 イトヘンの場合は「クラ担当者」というのが、バイヤーにあたるわけですが、特にOEMを作らされる時にこんな目に会います。商談には極力同行するのですが、バイヤーの方もいい加減なこというんです、これが。何か言わなきゃ仕事じゃないって思っているバイヤーもいて、完成されているのに「ここをもうちょっと・・」とか言ってしまうんでしょうね。

 そこでどう切り返すかがポイントですが、デザイナーがあんまり強気で「これでいいじゃん」と押し切って手仕舞いにすると、後日デザイナーがいない時に、営業にこっそり「変更してくれ」なんて言う、気が弱いくせに意固地なバイヤーもいますから、バイヤーの性格は把握しないと営業戦略は立てられないです。

一概に営業が悪いともとれない。クラと直打ち合わせすると解るよ
「今回は今までになく斬新なものを希望してるんですが・・・」と要望通りにしたら
「これはこれでいいんですが、ウチのカラーとしては・・」になり最後には
「社長や役員に見せたら従来の路線で・・・」となる。
こちらの能力不足は素直に認めるとしても、クラの
とりあえず何が出てきても何回かはダメ出しするのが当然という考え方は何とかならんのかと思う。

 こんな風にね。 
 それとこの「斬新な」という言葉も、考えのない人が考えたふりして使うことが多い単語ですね。この単語を多用する人は要注意です。「斬新な」といいながら、見たこともないものに評価はしませんから。
 いい加減「斬新」というのはコンセプトではないと知って欲しいです。

仕事の規模にもよるが、クラと直接話してるのが営業だけなら話に沿うように制作を進めるべき。
営業の待機指示を無視して勝手に進めた仕事がすべて無駄になったことがある。
一部大手を除けば営業がプロデューサー(金銭管理他)も兼ねているのだから、
収入のために割り切らなければ逝けないことも・・・。

しかし、ノルマ系の媒体営業やノルマ系営業からの転職組の広告営業はホントにドキュソが多い。
しかも後者はとんでもない大物が多い。

 そう、営業がきちんとプロデュースしてくれたら文句はないわけですよ。一緒にクライアントの悪口言いながら、決まれば祝杯もあげられましょう。
 ですが、金銭感覚が抜けている営業もいるわけで、売上は気にするけど経費を考えない営業ってのも大勢います。デザイナーを部下扱いして「あれやれ、これやれ」ってのも。そういう態度が営業とデザイナーの溝を作るのではないかと思います。
 デザイナーの使う時間も経費の中に計算したら、その仕事が本当に利益が出ているかどうかわかるんじゃないでしょうか。クライアントの言うがままにやって、経費を無駄にかけすぎている気がします。

営業「チラシやり直しがあるから。急いでやってよ」
デザ「OK、間に合うようにするよ」
営業「得意先が書いてきたカラープリント。」
デザ「(訂正紙っていうんだよ)あれ、文字がすごいずれてる。バックの無地網も。
わー、トンボもずれてる。こんなの得意先に見せたの。」
営業「とにかくやってよ!」
デザ「え・・・プリントしたときに確認したけど。おかしいな。
ていうか、こんなデザインにしたっけ。」
営業「それ、僕のほうで直したよ。」
デザ「ええっ、なんで?」
営業「ぼくが気に入ったのでないと持っていけないから!」
デザ「ええええっ、勝手にさわったの。なんでいわないんだよ」
営業「そのほうが早いから!」
デザ「それでこんなのじゃ意味ないだろ!」
営業「いや、気がつかなかったんだよ。それに、ずれる原因がわからないんだ。
ずれようがないんだよ。」
デザ「お前がいじったからだろ!」
営業「じゃ、直してよ!」
お前のせいだろ!
ふーざーけーるーなー

 ほんとに「ふーざーけーるーなー」です。
 企画室がサンプルを提出すると生産決定した後に手を離れることがあって、最終どんな商品が世に出たのかわからなくなってしまうことがありました。これも営業がからむOEMに多いのですが、コストの関係や相手の意向などで営業と生産管理で勝手にデザインを変更してしまうんですね。
 売り場を見て愕然としたことがあります。
 「私が作ったのに良く似ているけど変」って。
 変えるならソコじゃない!っと何度怒鳴ったことでしょう。変更するなら一言了解が欲しいです。

営業「パッケージデザインもらってきたよ。急いでやってよ」
デザ「OK、間に合うようにするよ」
営業「ロゴと写真は全部あるから。」
デザ「(へぇ、ちゃんと用意してくるなんて珍しい)そりゃ助かるよ。データ見せて。」
営業「えーと、http://www・・・」
デザ「画像データバンクか何かなの?」
営業「え?いや、ここの会社のホームページ。トップページにロゴがあるし、
商品の写真も載ってるから、自由に使っていいんだって。」
デザ「は!?駄目だよぉ、ロゴはIllustratorでもらえないの?
それに、写真だってこんなんじゃ、解像度低過ぎで印刷に使えないよ。」
営業「んー、確認してみる。」
デザ「頼んだよ(・・・って、素人かよ!)」

その翌日

営業「はい、データ一式。ロゴはIllustratorで、写真も解像度高いよ。」
デザ「ありがと。見てみるね・・・何これ!?。」
営業「今度は何だよ。」
デザ「ロゴってこれ、JPEGイラレ上に貼り付けただけじゃん!
写真だって、フォトショの『画像解像度』の数字をいじっただけじゃん!」
営業「それしかないんだよ。とにかくやってよ。」

いいかげんにDTPの基本を理解しろ!
ふーざーけーるーなー

 >JPEGイラレ上に貼り付けただけじゃん!
 コントを見ているように大笑いさせていただきました。

 同じようなことがリアルに先週ありました。
 ホームページのロゴを100倍くらい拡大して見せてやりましたが、最後には「トレースできないの?パソコンでちょちょっとやってよ」と言われましたよ。
 「ガタガタでいいかしら?」と笑顔で言ってみました。
 相手は印刷業界の営業ではないので仕方がないんですが、頼むなら何を用意すればよいかきちんと聞いてくださいね。素人なんだから。

 次はコメントのほうから。

利益でてるんなら、まだいいじゃない。
ウチなんか利益がほとんどないような仕事をバカ営業が取ってきて、おまけに納期は短いし言う事だけは達者なバカな客だしホントまいるよ。で、デザイナーはろくなデザインできないし、印刷は汚いし、折込屋は折込日間違えるし、もー嫌になっちゃう生産管理の俺

 何やかやとスケジュールが押すと、結局は生産管理に負担が行きますね。
 季節ものを扱っている以上、店頭納期はほとんど変更できません。取り掛かりが遅かろうとバイヤーがゴネて決定が遅れようと、決まった日までに生産を終了しなければならないのです。
 生産管理者、尻拭いご苦労って感じです。頭が下がりますね。

営業から来た文字だけ原稿。判型も体裁も何もかも未定でわからないままなので連絡。

営「んー、まあ後で確認取るから、適当に進めてて」
デ「無理ですよ。これはカタログなんですか?チラシなんですか?ページ数は?半面の大きさは?スペックの体裁は?」
営「まあいいからとにかく作っててよ」
デ「だから何もかもわからない現状では無理ですから」
営「詳しいことがわかったら連絡するから、そうしたらチャチャッと直してくれればいいから、明後日くらいまでによろしく」

リアルで「死ね」と言いたくなった午後の一時。
もちろん突っぱねたけどね…(;´Д`)

 デザイナーを無能呼ばわるするくせに、「チャッチャとやって」というセリフをよく聞きます。「デザイナーなんだから絵を描くぐらいチャチャッとできるだろう」という態度に過剰反応してしまいます。
 何も情報を与えないでクライアントの納得するものがチャチャッとできたらオマエの仕事は受けていない。というのが本音です。

うち、クラ側ね
なんかデザインがおかしくなっていくと思ったら、勝手に広告社の営業が、"クラの意見"として自分の意見を伝えていたり、こっちの意見を曲げて伝えていたことが偶然判明。
デザさんの意見でデザインが変わって、納得できる理由があってならまだしも、勝手にダサいセンスの営業が口出してたと知ったときは、もうクラッときたね
しかし契約先を変えようにも上が長い付き合いだからと変えさせてくれない
もうね。

 いや〜、クライアントならビシッと営業に「すっこんどれ!」と一括して欲しい。

やっぱりアレだよ。
制作やってた人が営業行くと安心だよ…ただそれで胃に穴空きそうな人何人か見てるけど(笑)
あと、なんで新卒営業にまわすのかねー。。。社内のこと全く分かってない状態で営業出させて売れるんですかー。もう!

 デキル営業とね、仕事がひと段落ついた後に祝杯を挙げるのは気持がいいですよ。売れればもっと嬉しい。
 そんな営業は数えるほどしかいなかったのが残念です。ですが、いなかったからこそ、営業もできるデザイナーになれたのではないかと思います。

 にわか製作者編は次回。